こんにちは、茶子です。
今日はカメラのお話しをします。
下記の「カタログから読むカメラの性能と役割」の続きになります。
カメラに興味がある方はお付き合い下さい! ♪
上の記事でも少し触れましたが、画質を左右するスペックについて、もう少し掘り下げて見ていきたいと思います。
撮影素子(イメージセンサー)
(※ 映像素子=イメージセンサーですが、以降、このページでは、イメージセンサーと統一して呼ぶことにします)
より高画質な映像を作り出すために一役買ってくれているのが、イメージセンサーです。
下の図は、レンズを通して入ってきた被写体の情報が、イメージセンサーを通り写真情報になるまでの概要を示したものです。
レンズを通して入ってきた被写体が写真になるまでの概要
イメージセンサーは、カメラの心臓部とも呼ばれ、カメラの性能を左右する重要な装置の1つです。レンズから入ってきた光の情報を記録可能な電気信号に変換する役割を担っています。
ここでは、そんなカメラにとって重要なイメージセンサーの種類と大きさについて、みていきたいと思います。
イメージセンサーの種類
イメージセンサーの種類として、主要なものにCCDとCMOSがあります。
CCD:Charge Coupled Deviceの略
感度が高くノイズが少ない、小型化が可能、バッテリーを消費するといった特徴をもっています
CMOS:Complementary Metal Oxide Semiconductorの略
製造が簡単、ノイズが出やすい、バッテリー消費が少ないといった特徴をもっています
上記であげた特長から、一見すると、CCDの方が良さそうに見えますね。実際、一昔前までは、CCDの方が高画質、CMOSは廉価版で画質が良くない、といったイメージでした。
しかし、CMOSの高性能化が進むとともに、2004年後半にCMOSの出荷数がCCDを上回り、その後多くのカメラに搭載されるようになりました。
CMOSは、半導体の一種になります。したがって、イメージセンサーだけに利用されるCCDと違い、コンピュータのCPUを構成する基本回路などにも利用されています。
そのため、様々な分野で応用・改善され進化したCMOSは、やがて、画質・感度・速度ともに向上し、イメージセンサーの分野でも、主流になっていったというわけです。
イメージセンサーの大きさ
イメージセンサーは、種類の違いだけでなく、大きさにも違いがあります。
一般に、サイズが大きいほど、画質は良くなりますが、それに比例して高価になります。
例えば
- 画質を重視する一眼レフは、フルサイズやAPS-Cといった大型のイメージセンサーを搭載しています
- 画質も携帯性も重視するミラーレスは、フルサイズからフォーサーズまで様々ですが、やはり大型のイメージセンサーが搭載されています
- より携帯性を重要視するコンパクトデジタルカメラの中でも、画質を重視したいハイエンドモデル機では、1.0型とコンパクトながらも大きなイメージセンサーを採用しています。コンパクト性を重視するミドルレンジ・ローエンドクラスでは、2/3型から1/2.3型までとより小さなセンサーの搭載になります
- スマートフォンカメラのセンサーは、1/3型や1/2.3型と、さらに小さいセンサーになります
まとめ
- デジタルカメラを選ぶときは、カタログに載っているイメージセンサーの大きさをみてみよう
- イメージセンサーは、レンズから入ってきた光を受け、電気信号に変換する装置
- 大きいものほどより高画質な画像を作ることができる
開放F値
カタログからみえる画質を左右するもう1つのスペックにF値があります。ここでは、F値(絞り値)についてみていきます。
カメラにとって、重要な役割を担うレンズ。
レンズの中には、光の量を調節する「絞り」といわれる装置があります。
その「絞り」とよばれる装置の調節により、光を通す穴の大きさをどれくらい絞るかをあらわしているのが、F値(F+数字)です。
開放F値とは、レンズの絞りを最大限に開けたときの数値になります。
F値(絞り値)は、数字で F1.4、F2、F2.8、F4、F5.6、F8、F11、F16、F22… のように表されます。
一般にこのF値が小さいほど、明るいレンズで性能が高いといわれています。
F値と光量の関係
下の図は、レンズの絞り値(F値)と光量の関係を示したもの。F値が小さいほど絞りが少ないということを表しています。
絞りがより少なければ、光の通る穴がより大きいため、取り込める光の量もより多くなります。逆に、絞りがより多ければ、取り込める光の量はより少なくなります。
たとえば上の図で、絞り値(F値)をF2.8からF4.0に変えると、レンズを通る光の量は半分に減り、イメージセンサー上に写る像も半分の明るさになります。同様に、F4.0からF5.6、F5.6からF8.0、と絞り値(F値)が一段大きくなるごとに、光量は半分になっていきます。
撮影したいイメージごとのF値設定例
[ボケ] 被写体以外をぼかして、被写体を強調したい:絞りを開放する(F値を小さくする。目安は、F1.4~F2.8)
[シャープ] 景色など全体にピントを合わせシャープな写真を撮りたい:ある程度絞る(F値を大きくする。目安は、F6~F9)
[動き] 動きのある写真を撮りたい:できるだけ絞りスローシャッターで撮影(F値を大きくする。目安は、F14~F22)
※絞りを絞れば絞るほど、光を取り込む量が少なくなり、それとともにシャッター速度が遅くなります
シャッター速度が遅くなる = 手ブレが起きやすくなりるので、注意が必要になります
(絞りとシャッター速度の関係については次の章をご覧になってください)
絞りとシャッター速度の関係
絞りを絞ると、センサーに当たる光の量が少なくなるため、適正露出に調整するのに時間がかかるため、シャッター速度が遅くなります。
逆に、絞りを開くと光の入る量が多くなり、適正露出までの時間は短くて済むため、シャッター速度は速くなります。
まとめ
- レンズはカメラの性能を決める重要な装置の1つ
- カタログを見る際、レンズ内に搭載されている絞りの値(F値)をみてみよう
- 他の条件が同じであれば、F値の値がより小さいほうが高性能といえる
さいごに
いかがでしたでしょうか。
今回は、画質に関わるカメラの性能を左右する条件の1つ、イメージセンサー(映像素子)と、F値(絞り値)の役割や大きさについてみてきました。
カタログを読む際の参考にしてみてくださいね。
カタログから読むカメラの機能と性能
カタログから読むカメラの機能と性能についてまとめたシリーズもよかったらご覧になってみてください。
カタログから読むカメラの機能と性能
※クリックすると(文字色が変わっているところは)そのページへ飛びます
- カタログからカメラの機能と性能を正しく読み解き、比較する方法
- より高画質なカメラの選び方 – イメージセンサーの大きさと開放F値をみてみよう( 今はココ)
- 写真表現の幅を広げるカメラの性能 – 絞り、シャッタースピード、焦点距離を見てみよう
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