昨今の状況下で、密になりがちな満員電車の危険性が報道されています。
その解決策として推奨されているのが、リモートワーク(またはテレワーク)です。
それなら、すぐにテレワークを導入しよう!
いや、待つのじゃ、テレワークの導入にはクリアすべき3つの課題があるのじゃ
大注目されている「テレワーク」ですが、実は、その導入には入念な準備が必要、という現実があります。
今回は、テレワークを導入するためにクリアすべき3つの課題について、5年間テレワークを実践した経験者が、分かりやすくお伝えします。
実はワシ、こんな感じじゃが、外資系企業にて5年間テレワークを実践していたのじゃ。
ちなみに、現在のワシは、最新オフィス風な日系大手企業に勤めておるが、実態は、これから話すテレワークの条件を満たしていない、残念な会社じゃ。。
なるほどね、今回は謎の生物くんの経験や知識から分かった、テレワークのメリットやデメリット、課題を知りたいな!
この記事はこんなあなたにお勧めです。
- テレワークについて知りたい
- テレワークの導入に必要な3つの条件を知りたい
リモートワークとは
さて、いま注目されているテレワーク(リモートワーク)ですが、そもそもどういった意味でしょうか?
リモートワークとは、「ICT(情報通信技術)を活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」
出展:厚生労働省
そう、テレワーク(Telework/telecommuting)とは、PCやスマホなどの端末をオフィスネットワークに接続し、自宅などオフィス以外の場所で働くことですね。
Information and Communication Technologyの略で、情報通信技術を意味します。PCやスマホなどの端末だけではなく、そのバックエンドにあるネットワークシステム全般を示す用語としてつかわれています。
東京都もスムーズビズとして、以前ご紹介した「時差Biz」や「テレワーク」を推進しています。
リモートワークの導入効果
それではまず、テレワークのメリット、デメリットから見てみましょう!
リモートワーク利用者のメリット
テレワークにより、いつでも、どこでも、柔軟に働くことができれば、様々なメリットがありますね。
満員電車を避けることでの、密を避ける
今一番注目されているのがこちらの理由でしょう。
満員電車に乗る必要がないため、「感染リスクが低減する」ということに繋がります。
ストレス軽減による生産性向上
乗車率が200%を超える満員電車での毎日の通勤はとても大変。 オフィスに到着したときには、疲れ切っていた・・という経験はありませんか?
心身ともにストレスのかかる通勤をしないことで、朝からスッキリとした頭で仕事に取り組めパフォーマンスが向上する、ということが期待できます。
従業員の満足度向上
家庭の都合などで、会社へ出社しての仕事ではフルタイムで働くことができず、残念な思いをしていませんか?
そんな人でも、テレワークなら働くことができ、あなたの貴重な能力を発揮することができます。
毎日通勤する必要がなければ、自分のライフスタイルに合わせ、オフィスから離れた場所に住むことも可能ですね。
リモートワーク利用者のデメリット
テレワークによりいつでも、どこでも、柔軟に働くことができるメリットはとても大きいですが、いくつか問題点も見えてきました。
実際に5年間テレワークを実践して感じた、デメリットをご紹介します。
オンとオフの区別がつかない
以前勤務していたのは「結果さえ出せば、オフィスに出社する必要が無い」というフレキシブルな環境でした。 オフィスには、一月に2〜3回出社し、自宅からクライアント先に直行・直帰という生活を送っていました。
一方で、 「いつでも、どこでも、働ける」ということは、オンとオフの切り替えを自分でコントロールしなければいけないということ。
これは私以外にもよく聞く話ですが、気がつくと、深夜まで自宅で”テレワーク”しているという羽目に・・
ちょっと「極端な例」と思われるかもしれないが、やりがちな例じゃ・・
コミュニケーションの希薄化
私の場合、フレキシブルなテレワークを活用しすぎたのかもしれません。 オフィスにもっと顔を出せばよかったのですが、月に数回の”出社”では顔見知りもなかなか増えません。
しだいに組織に従属しているという意識が希薄になり、気がつくと一人プロジェクトが多くなっていました。
一人プロジェクトでは、バックアップを気軽に頼めるメンバーもおらず、一人で仕事をしているという孤独感を感じることもありました。
ここまで極端な例は珍しいのかもしれませんが、テレワーク利用にもバランスが必要ということですね。個人的には、テレワーク7割、オフィス出社3割位でバランスが取れる良いと思います。
気軽に相談できる「仲間」の存在は重要なのじゃ!
リモートワーク導入に必要な3つの条件
最近では、テレワークの導入が注目を集めてきましたが、テレワークの組織的な導入には緻密な準備が必要なのです。
今すぐに、すぐにテレワークを導入しよう!
テレワークの導入には、入念な準備が必要なのじゃ!
テレワークの導入には、以下、3つの条件をクリアすることが必要です。
- PCで業務が完結できること
- テレワーク環境の整備
- 労務管理ルールの整備
条件1:PCで業務が完結できること
現在のところ、テレワークはどのような仕事にも適用できるわけではありません。 業務がテレワークに適している必要があります。
テレワーク実施の前提として、PC作業で業務を完結できる必要があります。
当り前じゃが、PCだけで仕事ができることが重要じゃ
具体的に、どのような業務がテレワークに適しているのか、あるいは適していないのか、見てみましょう。
リモートワークに適した業務
PCを使う業務は、問題なくテレワークに移行可能です。
たとえば、以下のような仕事ですね。
- 記事の執筆
- 提案書など各種資料の作成
- コーディング
- データ入力業務 など
リモートワークに適さない業務
対面での対応が必要な業務や、専用の機器・設備を必要とする業務は、テレワークでは対応することができません。
たとえば、以下のような仕事となります。
- ヘアサロン、ネイルサロンなど接客業
- ショップでの販売業
- 工場等での組立業務
- 梱包、仕分け作業 など
条件2:リモートワーク環境の整備
これは、結構、テレワークを導入できない企業にとっては重要な課題となりますが、導入には、ICT(情報通信技術)環境の整備が必要です。
自宅などのリモート環境でも、オフィスと同等の環境を実現するためです。
リモートワークに必要なセキュリティ対策
フリーランスで働いている人は自分のPCで、いつでもどこでも働くことができます。
カフェやコワーキングスペースなどで多くの方がノートPCを広げて働いていますね。
大企業や団体の場合は、いつでも、どこでも、働ける環境を実現するためには万全なセキュリティー対策がとても重要となってくるのです。
どんなセキュリティ対策が必要なの?
うむ、おもに以下の対策が必要じゃ
1. 利用するPCの安全性の確保
2. オフィスネットワークに安全に接続するしくみ
利用するノートPCの安全性を担保するしくみ
まずは、業務に利用するノートPCがマルウェアなどに感染しないように、最新のクライアントセキュリティ対策が施されていることが必要です。
マルウェア(malware)とは、不正かつ有害に動作させる意図で作成された悪意のあるソフトウェアや悪質なコードの総称です。(出典:Wikipedia)
マルウェアは、メールの添付ファイルを開いたり、怪しげなサイトを閲覧するだけで感染してしまいます。
マルウェアによって、PCに格納されている情報が流出するなどの被害が報告されています。
オフィスネットワークに安全に接続するしくみ
また、自宅やカフェなどのオープンなネットワーク(インターネット)から、企業や団体のオフィスネットワークに接続する場合は、通信内容を傍受されないように、VPN (仮想プライベート ネットワーク) を用いた通信の暗号化が必要です。
リモートでのコミュニケーションを活性化するツール
テレワークに必要なツールとして、勤怠管理システムも必要ですが、それ以上にコミュニケーションを活性化させる仕組みが重要です。
テレビ会議システム
お互いの顔を見ながら、資料を共有できるテレビ会議システムがあれば、リモートでの会議開催も十分行えます。
ZOOM(ズーム)など数多くのツールがあります。
チャットツール
ちょっとなにかを確認したいとき、メールではかしこまりすぎる・・
そんなときはSLACK(スラック)などのチャットツールの利用がおすすめですね。
メールよりも、気軽に質問ができるのがよいのぅ!
これらのツールは無料プランもあるので、もしまだ使ったことがなければ、是非試してみてください。
条件3:労務管理ルールの整備
企業や団体でテレワークを導入する場合には、労務管理のルールもまた必要です。
労働時間をどのように管理するのか、テレワーク中の私用(中抜け)の取り扱いをどうするのか? など、
「いつでも、どこでも働ける」環境を整備するためには、これらのルールをクリアにする必要があります。
リモートワークを導入した企業は?
今回の状況下で、いち早くテレワークの宣言を行ったのが、GMO社です。
GMO社といえば、先日ご照会した渋谷フクラスに本社を構えている会社です。
#テレワーク #リモートワーク がトレンド入りしてる。GMOの在宅勤務のまとめはこちら。https://t.co/taORH660pD https://t.co/8G2S2gyG0w
— 熊谷正寿 Masatoshi Mark Kumagai (@m_kumagai) February 17, 2020
そして、こちらはGMO社員の方が寄稿したレポートです。
GMOグループは、ただの在宅勤務みたいななんちゃってリモートではなくて徹底したリモートワーク。オンラインで顔を見せ合う定時報告もあり、スタッフ毎のアクセス権限まで徹底している。この準備は自分がいた5年前から始まっており、にわかに模倣出来るものではない。徹底力は組織力、組織力は徹底力。
— 製本テープ (@morobiz) January 27, 2020
同社が、普段から有事に備えて訓練をしている様子が伝わります。
すばらしいです!
効率的な業務の進め方が、文化として定着していないと、本当の意味でのリモートワークの実践が難しいことがわかりますね。
形だけ真似ても、業務効率の低い「なんちゃってリモートワーク」になってしまうので注意じゃ!
まとめ
いつでも、どこでも、柔軟に働けるテレワークの導入効果として以下の効果が挙げられます。
- 満員電車を避けることでの、密を回避
- ストレス軽減による生産性向上
- 従業員の満足度向上
その一方、テレワークの道入には入念な準備が必要で、下記3条件のクリアが前提であることをお伝えしました。
- PCで業務が完結できること
- テレワーク環境の整備
- 労務管理ルールの整備
いざというときに備えて、 いつでもテレワークできる状態にしておくことが重要ですね。
これを契機として、テレワークが普及すると良いなと心から願う者の1人です!
ではまた!
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