こんにちは、茶子です。
先日、東京立川にある国営昭和記念公園についてのブログを書いたのですが
ふと、公園のテーマ「緑の回復と人間性の向上」について、2つほど考えるところがありました。
- 一つ目は、この土地の持つ、軍都や基地の時代を歩んできたという、歴史的背景からみた「緑の回復と人間性の向上」
- もう1つは、国内外の研究からも分かる、緑が人間の心や身体へ与える影響。つまり、”緑のある場所に人間性の向上あり” ということ
今日は、そんなお話をしていきたいと思います。
緑の回復と人間性の向上 というテーマは、どこから来て、何を目指しているのか
昭和記念公園を訪れた際に、ふと頭をかすめた疑問。
なぜこの公園は、「緑の回復と人間性の向上」をテーマとしたのだろう?
公園の公式サイト等を探してみたものの、テーマの理由について触れている情報は見つからず。
そこで、 私なりに考えてみることにしました。
昭和記念公園の時代背景から見えてきたもの
昭和記念公園ができる前、この場所は、米軍基地でした。そして砂川闘争の舞台となった地域でもあります。
そこで歴史を振り返ってみることにしました。
のどかな農村風景を軍都や基地へと変えてしまった戦争
公園のあった土地の歴史をあらためて振り返えってみると
ここは、かつて、のどかな農村地帯でした。
ところが、戦前 旧日本軍により土地は接収され、立川飛行場が建設されます。
太平洋戦争が激化するころになると、立川飛行場からは、少年兵たちが特攻隊として飛び立っていき、そして、多くの尊い命が大空へと散っていった、と言われています。
また、軍事施設が集中した立川は、13回もの空襲を受け多くの被害を出したそうです。
戦争が終わると、今度は、米軍が立川飛行場を接収し、その後基地の拡張を計画します。
そして、基地拡張を巡っての闘争が勃発、砂川闘争です。
昭和記念公園のあった場所は、もともとは、農村地帯だったところ。
そんな緑豊かでのどかな場所が、戦争の渦に巻き込まれ、悲しい歴史を歩むことになったのです。
未来への希望
戦争は、緑も人間性も奪ってしまいます。
辛く悲しい歴史…
そんな過去の歩みの中から、これからの未来への希望を胸に「緑の回復と人間性の向上」というテーマにしたのではないか、と。
テーマの理由に関する情報が見つけられなかったので憶測ではありますが、そんなふうに考えました。
私たち人間が壊してしまった緑…
戦争が奪う人間性…
緑の回復を願う…
人間性の向上を願う…
この土地が歩んできた険しい道のり、この土地の住民や関係者の気持ちは、どれほどのものだったのでしょう。
戦争を経験し、砂川闘争を経験し、そしてようやく土地が返還されたときの彼らの思いは、まさに
「緑の回復と人間性の向上」
だったのではないでしょうか。
一方で「緑の回復と人間性の向上」には
もう1つ大きなメッセージが含まれているのでは、とも考えました。
緑が人間に与える影響から見えてきたもの
「緑の回復と人間性の向上」に含まれたもう1つのメッセージ。
それは
緑のあるところ=人間性の向上
なのではないかと考えました。
緑が人間に与える影響と、もう1つのメッセージの関係をお話ししていきます。
緑とは
緑とは何でしょう。
まず思い付くのが、草木が生い茂る大自然ではないでしょうか。
緑の木々からあふれる木漏れ日…
想像しただけで、幸せな気分になりますね。
田んぼや畑も緑ですね。
そして、近所の公園や神社にも緑はあります。
一番身近なところでは、自宅の庭や部屋の観葉植物でしょうか。
人間性とは
それでは人間性とはなんでしょう?
人間としての本性や人間らしさ、といったところでしょうか?
一般的に人間性の定義としてあげられているものとして、以下の3つのようなものがあります。
- 行動習慣
- 知性
- 感情や意思
良い行動習慣を身につけ、人間らしい知性を兼ね備え、健全な感情やしっかりとした意思を持つ。
上記で挙げた事ももちろん大切ですが、私自身は人間性について、もっと簡単に、こんな風に考えています。
自分が自分らしく
生きる意味を実感しながら
人生を歩んでいく
そこには成長があり
成長が人間性を形成し
成長が人間性を向上させていく
緑と人間性の関係
人間性の向上が、”自分が自分らしく、生きる意味を実感しながら、生きていく” ことだとすると
緑は、人間性の向上に大きく貢献しています。
それは、大学などが調査した ”緑や自然が私たちの心や身体に与える影響” に関する結果を見ても分かります。
例えば、以下のように、大学が掲載している調査報告に関する記事があります。
ミネソタ大学の研究報告
ミネソタ大学の記事には、こんなことが書かれていました。
好まない環境に身をおくと、ストレスで、不安・悲しみ・無力感といった気持ちに襲われてしまう。
結果として、血圧・心拍数・筋肉の緊張・免疫システムといった悪影響が身体にも及ぶ。
逆に、心地よい環境に身をおくと、それらの悪いストレスを解放することができる。
人間は本来自然を愛して生きてきた。
自然の中にいることはもちろん、ただ自然を眺めているだけでも、怒りや恐れ、ストレスを軽減させ、気分を良くしてくれる。自然を見ることで、痛みなどの不快感さえも軽減できる。
日本医科大学の論文
さらに、日本医科大学の記事には
森林浴は、ストレスホルモンを減少させ免疫力が向上することにより、病気の予防につながる
とも書かれています。
森に入るとほっとするという人は多いでしょう。森林浴はなんとなく気持ちいいのは誰も認めるでしょう。しかし、「森林浴をするとストレスホルモンが減少し、免疫力が上がり、がんをはじめとするさまざまな病気の予防につながる」 と聞けば、驚かれる人が多いのではないでしょうか。
スタンドフォード大学の調査結果
また、スタンドフォード大学の調査によると
自然の中を歩くことが精神疾患のリスクを軽減する、ことが分かった
ということです。
私たちの本能
研究・調査の結果(エビデンス)からも分かる、緑が私たちを癒してくれるということ…
でも、よくよく考えてみれば
こんな結果が出るずっと前から、私たちは自ら無意識のうちに、緑と接するようにしていましたね。
なんだか疲れたなあと思った時も、近所の公園へ行ってみたり、わざわざ神社を訪ねてみたり、大自然の中へ出かけてみたり…
育てた植物が成長し、緑の葉っぱをつけた姿を見ては、ものすごく嬉しくなったり。。。
人間の本能が自然を求めていたのではないかと思います。
もう1つのメッセージ
”人間性とは” の章でもお話ししましたが
私たちが、豊かな人間性を保つためには
自分が自分らしく 生きる意味を実感しながら、人生を歩んでいく必要がある。
そして、自分が自分らしく生きるためには、時に癒しを感じたり、パワーをもらったり、がとても重要
ということがあります。
そして研究・調査結果からも示された
緑や自然が、私たちの身も心も癒しパワーを与えてくれる
という事実。
つまり
「緑の回復と人間性の向上」のもう一つのメッセージは
”緑のある暮しはとても重要”
”なぜなら、緑は、私たちに癒しやパワーを与えてくれるから”
”それはイコール、自分が自分らしく生きられるということに繋がり、ひいては、人間性の向上につながる”
”だから、緑のあるところ=人間性の向上 に繋がるのだ”
と、こんな風に受け取ることもできると思います。
さいごに
今回、「緑の回復と人間性の向上」という昭和記念公園のテーマについて考えている過程で
あらためて、緑や自然の価値の大きさに気付かされました。
忘れてはならない戦争という悲しい歴史を今一度思い出しながら
そして、緑が私たちの心や身体に与えてくれる影響を意識しながら
公園を歩くのも、またよいのではないかと思います。
昭和記念公園の遊びや見どころについては、こちらをチェックしてみて下さい。
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