日本は、世界の中でも、水道水が飲める数少ない国...でも、不安..
- 塩素は身体によくないんでしょ?
- トリハロメタンって怖いの?
- マンションの貯水槽には虫やネズミ、鳥のフンが入るって本当!?
- 水道管の鉛が、発ガン、自律神経、胎児、に影響を与える!?
えー、本当にそのまま飲んで大丈夫なの!?!
こんにちは、茶子です。
とつぜん驚かすような話から入ってしまい、ごめんなさい。
今日は水道水のお話をしたいと思います。
今回、なぜ水道水の話しをしようと思ったか..それは、友人のひとこと「水道水ってやっぱり怖いのかな?」でした。
...
水道水は怖いのか??
日本の水道水については様々な情報が飛び交っているため、何が何だか、よく分からなくなりますね。そして、分からないから怖くなる.. 身体に悪いと言う人もいれば、すごく安心と言う人もいる。。
実際にはどうなのでしょう?
いろいろな見解があると思いますが、私自身は
日本の水道水が怖いとは思いません。海外に行くと実感するのですが、日本の水道技術は素晴らしいと思います。
その一方で、個人的には水道水は飲料水としては使わない という選択をとっています。(水道の整備の状況を見て今後変わるかもしれませんが..)
- なぜ日本の水道技術は素晴らしいと思うのか?
- なぜ水道水を飲料水として使いたくないのか?
についてお話していきます。
日本の水道技術は素晴らしい、厚生労働省も水道局も日々努力
厚生労働省の水道ビジョンと努力の姿勢
厚生労働省の水道対策政策の中に『水道ビジョン』というのがあるのはご存知でしょうか。
以前は『水道ビジョン』でしたが現在は『新水道ビジョン』とし、推進のためのロードマップなどが策定されています。
新水道ビジョン推進のためのロードマップについて(平成26年5月 新水道ビジョン推進協議会事務局)
このロードマップをみてみると
- 「いつでも安全な水道水を安定的に供給でき、すべての国民が、いつでもどこでも、おいしく水を飲める」
- 「老朽化した施設の計画的な更新」
といったことを理想像として掲げていますね。そして、その理想像へ向けての方策が立てられています。
つまり、ここから見えてくるのは
- 「水道水は安全ではないといった見解がまだ存在している」「老朽化した施設がまだある」という厚生労働省の認識
- 「すべての国民が、いつでもどこでも、おいしく水を飲める」を達成するため取り組んでいくという厚生労働省の熱い努力の姿勢
です。
厳しい水質基準をクリアした日本の水道水は、そのまま飲める数少ない国
水道水がそのまま飲めるって、私たちにとっては当たり前になってしまっていますが、世界的に見ると実は凄いことです。世界中で水道水が飲める国は、たったの15ヶ国しかありません。(世界196ヶ国中(外務省発表の世界の国数))
これが何を意味しているかというと
例えば、もしも、お水が買えない.. ウォーターサーバーも浄水器も使えない.. というような状況に陥ったとしても、水道の蛇口ひとつ ひねれば、お水が飲めるのです。しかも、とても安い水道水代で。お腹を壊すこともなく。
これって、素晴らしいことですよね??
そして、逆に水道が止まってしまうと、私たちの生活も止まってしまいます。
海外に行くとあらためて日本の水道の有難さを感じますよね。ちなみに、私は何度か海外で、水道水にあたり病院のお世話になりました。(皆さんも経験したことはありませんか、海外あるある ^^; )
蛇口をひねってお水が飲める。これは高い水質基準を保つという、厚生労働省や水道局をはじめ、水道関係者の尽力の賜物だということを、私たちは認識すべきとあらためて思います。
過信は危険 ~リスクを知った上で、自分で選択しよう
では、蛇口をひねってお水が飲める = 安心なお水が飲める、ということでしょうか。今水道水を飲んでお腹を壊さないから、そのお水は安全だと言えるのでしょうか?
世の中に 100%大丈夫ということがないのと同様、水道水が100% 安全で安心かというと、そうとは言えません。
たとえ、厚生労働省や行政、水道局がいくら努力をしていても、一筋縄ではいかない問題や、彼らの目の届かないところで発生しうるリスクだって当然あるのです。
お水は私たちの身体に直接影響を与えるもの。しっかりと、自分の目で耳で頭で考え、選択していきたいものです。
塩素による『トリハロメタン』など有害物質のリスク
総トリハロメタンという言葉を耳にしたことがあるかと思います。これは、クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルムなどの有害物質の総称で、塩素での浄水処理により、発生してしまうものです。
発がん性があるとし以前話題になったので、気にしてらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
日本では、水の細菌や病原菌などを殺菌するため塩素消毒が行われます。塩素は水の衛生面を保つため無くてはならないものでもありますが、一方でトリハロメタンの原因になってしまうというデメリットがあります。また、水道水の味がまずいといわれる理由の一つでもあります。
ただ、水道水に含まれるトリハロメタンは、厚生労働省が定めている基準値以下となっているため、過度に怯える必要はありません。
とはいえ、微量でも入っているので、一応リスクとして頭の隅においておくのがよいかと思います。
また、少しの量でも気になる方は、浄水器で取り除くこともできます。
一般によく売られている小型の浄水器でもトリハロメタンなどの有害物質を取り除くとは書いてあるのですが、本当に安全な水を作るためには、高性能な製品を選ぶ必要があるかと思います。


水道管や給水管の劣化、有害物質『鉛』のリスク
さて、実は、、
怖い怖いと言われるトリハロメタンより、もっともっと気にすべき問題があることは気付いていらっしゃいますか?
その問題とは、鉛の存在です。
水道水は浄水場で浄水処理をされると、給水管を通って、私たちの水道の蛇口まで運ばれてきます。
以前はその給水管に、鉛製給水管が積極的に採用されていました。
ところが、1980年代後半、鉛製給水管の問題点が明らかになります。
国際がん研究機関(IARC)において、1987 年に、特定の無機鉛化合物は実験動物において発がん性を示す十分な証拠が入手されている
鉛製給水管から溶け出す鉛が、人体への悪影響を及ぼすことが分かってきたのです。
- 知性や他の神経発達への有害影響に関連することが判明
- 感覚運動機能に障害が発生し、自律神経機能で影響を受ける
- 腎臓への影響
- 早産及び胎児の生育と成熟
厚生労働省 鉛の毒性について
そこで、1987年、厚生労働省(厚生省)は「新設の給水管には、鉛溶出のない管を使用すること」という通知を出します。
通知に従い、水道事業体はその後、鉛製給水管の取替えを進めていきました。
しかし、厚生労働省では
水道統計(2009(平成21)年度)によれば、わが国においては未だ、延長7,530kmを超える膨大な鉛製給水管が残存している状況である
と、鉛対策の状況を報告しています。上の報告は平成24年(水道統計は平成21年)のものですが、そんなに簡単に対策が進むものではありません。
いくら頑張って取替えを進めようにも、膨大な鉛製給水管が残存。すべてを取り替えるためには相当な労力が必要だということが、容易に想像できますね。
また厚生労働省は、鉛だけでなく、水道管の老朽化についても述べています。
水道管路は、法定耐用年数が40年であり、高度経済成長期に整備された施設の更新が進まないため、管路の経年化率(老朽化) は、ますます上昇すると見込まれる
(中略)
全ての管路を更新するのに約130年かかると想定される
水道管の劣化と一言で言っても、私たちにはイメージしづらいので、苫小牧市の提供している劣化した水道管内部の様子を例に見てみたいと思います。
どうでしょう。
たとえ、水道局がいくら努力し 浄水場では安全な形に浄水できたとしても
こんなに劣化した水道管を通ったお水を、そして『鉛』の不安を抱えながら飲む..そんなことはしたくない。と思うのは、私だけでしょうか。
貯水槽への虫やネズミ、雨水混入など『衛生面』のリスク
マンションやアパートにお住まいだとしたら、貯水槽の衛生管理がどうなっているかにも、注意する必要があります。
貯水槽の水質や衛生管理については、水道局ではなく、貯水槽の設置者の責任となります。
貯水槽の衛生管理を怠るとどうなるか...
東京都豊島区では、貯水槽の事故例として下記のような事例を挙げ、管理者への指導を行なっています。
〈事故例〉
1. マンホールの立ち上げ不足により、汚水・薬品等が流入した。
2. マンホールやパイプのすき間から、虫やネズミが侵入した。
3. マンホールのふたに施錠していなかったため、過失あるいは故意により、薬品等が投入された。
4. 貯水槽の上部を物置化していたため、灯油や殺虫剤が流入した。
5. 貯水槽の中に汚水管が通り、継ぎ手から汚水が漏れて混入した。
6. 貯水槽の容量が大きすぎて水が滞留し、いわゆる死に水となり汚染した。
7. 清掃不足により、水あかや鉄サビが発生した。
8. 貯水槽と汚水槽が隣接し、槽のひび割れから汚水が流入した。
東京都の場合は、東京都水道局がビルの管理者へ指導や助言を行なっているようです。
東京都水道局ページ
しかし、もし、管理者の管理方法に不備があったとしたら、、、!?
ねずみが?虫が?汚水が?...
と 想像すると、気持ちが悪くなります(ごめんなさい。”気持ち悪い”というのは、私は虫が苦手なため、少し個人的な感情が入っています)
ちなみに、管理者への助言や指導は自治体ごとに異なっており
たとえば沼津市を例にとると.. 下記のようなイラストとともに
”市の供給規程に従い貯水槽の管理の向上に努めて下さい” と指導を行なっています。
心配な方は、お住まいの貯水槽の管理がどうなっているか、確認しておいたほうが安心できるかと思います。
水道水は身体を壊す水 ~ 藤田教授の言葉を聞き、母を思い泣いた
東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎さん。
免疫学の第一人者で、お水や腸の研究もされ、本もたくさん出版されています。
私は、腸や免疫、水に関心があるので、彼の本は何冊か読ませていただきました。
彼の『身体をつくる水、壊す水』という著書の中にこんな言葉があります。
水道水は『身体を壊す水』
飲み水にこだわることこそ
健康長寿の秘訣
その昔、私たち家族は、飲み水には全くこだわってはいませんでした。
ところがある日、母の病気をきっかけに、また同時期に行なった水質検査の結果がよくなかったことも重なり、家族みんな大慌てで、水にこだわるようになりました。
でも、一度病気になった母は、もう帰ってはきませんでした。
藤田教授の本の中で「水道水は『身体を壊す水』。飲み水にこだわることこそ健康長寿の秘訣」という言葉を目にしたとき、「もっと早く意識をしていたら、何かが変わっていたかも..」と..母を思い、泣きました。
母の病気をきっかけに、健康は何ものにも代えがたいということに気が付きました。そして、少しでもリスクのあるものは排除したい、という思いがあります。
浄水器やウォーターサーバーは必要なのか
いろいろお話してきましたが
「浄水器やウォーターサーバーは必要なのか」と問われれば、私は、「 ”個人的には” 必要だと思います」と答えるでしょう。
一方で、ここは個人の選択の問題だという思いもあり、その人がリスクを理解した上で、「いや私は日本の水道水を信じているし、水道管や貯水槽もだいじょうぶ、そのまま飲むわ」という選択肢があっても、よいのかなとも思います。
水道水をそのまま飲んでいても健康で長生きされる方はたくさんいらっしゃるでしょうし、お水だけが健康に影響を与えるわけではありません。食事や運動といった生活習慣も重要です。
それに、たとえ万が一なにかあったとしても、自分で選択したことであれば後悔はしないはず。
一番の悲劇は、私の家族のように無知であったこと。母の病気をきっかけに「お水のことを、もっと早くから意識していたら・・」と、知らなかったがゆえの後悔をしてしまうことだと思います。
不安を解消するためにできること
不安を解消するためにまず必要なことは、状況を知ることです。
次に必要であれば、対策を打ちましょう。
(1)今回お話したような 鉛やその他の有害物質が心配であれば、まず、お住まいの自治体に確認してみましょう。
自治体によって、例えば、下記の埼玉県のように水道整備や鉛対策の状況と詳しい確認先を載せています。
埼玉県の鉛製給水管の対応
(2)もし水道水をそのまま飲むのに抵抗があるという場合は、お近くの家電量販店や下記の楽天やアマゾンのページから、浄水器を探してみましょう。


(3)私のように「マンションの貯水槽や水道管の劣化までいちいち心配したくないから、飲料水は買ってしまおう」という場合は、ウォーターサーバーがお勧めできます。
スーパーなどでミネラルウォーターのペットボトルを買ってもいいかと思いますが、毎日のことになると結構な労力になります。
私が実際ウォーターサーバーを使って良かったことを、下記の記事に書いています。興味のある方は、参考にしてみてください。


さいごに
今日ご紹介した『体をつくる水、壊す水』(東京医科歯科大学名誉教授 藤田紘一郎)から、ひと言引用させてください。
食事を変えれば健康が変わるのは、みなさんもよく知っているところでしょう。
しかし、水を変えると体がどのように変わるのかを意識している人は、どれほどいるでしょうか。
『 水を変えると体がどのように変わるのかを意識している人は、どれほどいるでしょうか 』




コメント