こんにちは、茶子です。
英単語って、記号のようで凄く覚えづらいし、ようやく覚えたと思っても使わないうちに忘れてしまった・・という経験はありませんか?
大丈夫です。語源を活用することで、英単語を何倍もスピードアップして覚えることができますし、忘れたと思っていたその英単語を思い出すことができます。
今日は
- 語源を活用した英単語の覚え方
- 語源で英語を学ぶ5つのメリット
- 語源リストや語源学習のオススメ本
などを一緒にみていきたいと思います。
英語の語源について
英単語の語源とは、簡単にいうと、単語の成り立ちのことです。
英単語は、ただの文字の羅列に見えますが、実は意味を持ったかたまりの集合でできています。
日本語にもありますね。たとえば、「資」「購」「財」という漢字。これらの漢字には、すべて貝へんが付いています。そして、お金に関係する漢字です。貝へんは、そのむかし貝が貨幣として使われていたことが由来となっているそう。
こんな風に、英語にも由来(語源)があります。
英語の語源は、接頭辞、語根、接尾辞に分けることができます。
例)impedment = im(接頭辞)+ ped(語根)+ ment(接尾辞)
接頭辞とは
接頭辞は、語基より前にくる接辞で、un-、over-、pre-などの部分。
uncomfortable、overthink、prepare など
接尾辞とは
接尾辞は、逆に語基より後にくる接辞で、-able、-tion、-shipなどの部分。
acceptable、information、friendship など
語根とは
語根は、語形変化の基礎になる部分。
たとえば、圧力をかけて押すという意味の語根「press」。
この単語に接頭辞や接尾辞を付けることで、様々な単語に変化します。
具体例を見てみます。「下に」という意味合いの接頭辞「de」をpressに付けてみます。
de(下に)+ press(押す)= 押し下げる
となり、depressは、落胆させる、下落させるという意味だということが分かります。
今度は、外にという意味合いの「ex」を付けてみます。
ex(外に)+ press(押す)= 押し出す
となり、expressは、表現するという意味だということが分かります。後ろから押されて思わず口から言葉が外に押し出されるイメージをしてください。
語源を活用した英単語の覚え方とは
語源を活用した英単語の覚え方は、単語の成り立ち(接頭辞・語根・接尾辞)を頭に入れた上で、英単語を覚えていくことです。
今回「prospective」という単語を例に、語源の活用を見てみましょう。
1.英単語の成り立ち(語源)を理解し覚える
prospectiveは「将来の」という意味ですね。用法としては以下のような感じでつかいます。
- She is prospective bride of Ken(彼女がケンのお嫁さんになる人だよ)
- Your prospective boss is Jon(今度あなたの上司になる人はジョンよ)
このprospectiveという単語を覚えるとき
「prospective = 将来の」という感じで丸暗記をしてもいいのですが、さすがに11文字もの長い単語になってくると丸暗記は大変。
こんな時に、語源の活用が役立ちます。語源(単語の成り立ち)を知っていれば、以下のように分解することができます。
- pro(前を)接頭辞
- spect(見る)語根
- ive(単語を形容詞にする)接尾辞
pro + spect + ive。これなら覚えられそうですね。
かたまりの組合せで、以下のように使い分けることも出来ます。
pro + spect = 前(将来)を見ること ➡ prospect = (名) 見通し、可能性、見込み
pro + spect + ive = 将来をみることの形容詞 ➡ prospective = (形) 将来の
2.覚えた語源を他の単語に応用し語彙を増やす
語源の活用は、1つの単語を覚えることだけに留まりません。他の単語にも芋づる式に応用していくことができるのです。
上記の「prospective = pro + spect + ive」から「spect = 見る」を学びました。ここから
たとえば「inspect」
in(中を) + spect(見る) ➡ inspect = 検査する、点検する
あるいは「expect」
ex(外を) + (s)pect(見る)(外を見ながら何かを待っているようなイメージ) ➡ expect = 期待する、予期する
と、こんな風にどんどん他の単語も覚えていくことができます。
語源で英単語を学ぶ5つのメリット
前章までで、語源の概要や覚え方についてみてきました。
ここでは、語源活用の5つのメリットをまとめてご紹介します。
文字数の長い単語も覚えやすい
前章でみた「prospective」のような長い文字数の単語も、覚えやすくなります。
詳しくみてみましょう。
分割すると覚えやすくなる
文字列をただ羅列として覚えようとすると非常に大変です。でも分割してみると・・あら不思議、覚えやすくなるのです。
この分割という手法は、チャンク化という記憶テクニックの1つ。
実際、電話番号などもチャンク化されています。99-9999-9999と分割して書かれていると分かりやすいですよね。
情報をいったん脳にメモする機能ワーキングメモリの限界は、数字約7個、文字約6個、単語5個までと言われています。つまり、脳は長い文字の羅列を処理するが苦手なのです。
単語の成り立ちをイメージする事で記憶が定着しやすい
単語を覚えるときは、何かと関連づけて覚える方が記憶の定着につながります。
たとえば「prospect(見通し)」であれば、前を(pro)+ 見ている(spect)という語源のイメージを頭に浮かべることで、ただ「prospect」という意味をなさない文字の羅列で覚えるよりずっと覚えやすいですね。
短期間により多くの英単語を覚えられる
もちろん、1つの語源が1つの単語のみに使われるわけではなく、たくさんの単語に使われています。
ですから、下の図のように芋ずる式で覚えていくことが可能なのです。
忘れた英単語も容易に思い出せる
膨大な英単語。覚えたつもりが、いざその単語に出会ったとき「あ~知ってるはずなのに!」と思い出せないことはありませんか?
語源を活用すると、忘れた単語を思い出すのも容易になります。
思い出す方法の1つとして、関連情報から辿るというやり方がありますが、語源で覚えておけば、語源のネットワークから辿ってすぐに思い出せるようになるのです。
意味の似た英単語を使い分けられる
語源を知ると、単語の正確な意味が理解できるため、似た意味を持つ単語の使いこなしも楽々とできるようになります。
たとえば、「survey」と「inspect」。この2つはスペルこそ違いますが、どちらも調べるというような意味です。
後ほど紹介しますが、「英単語の語源図鑑(著 清水健二)」という本の中に分かりやすく記載されていたので、似た意味を持つ単語を語源から使い分けるという例を、本の引用からご紹介します。
surveyが「上から(sur)見る(vey)」、つまり「見渡す」「概観する」という意味であるのに対し、inspectは「中を(in)見る(spect)」、つまり「(隅々まで)調べる」「検査する」という意味になります。
似た意味を持つ単語が複数あるというのはよくあることです。語源を知っていることで、それらの単語の使い分けも簡単になります。
知らない英単語でも類推できる
ネイティブと不自由を感じずに話すためには、15000語の英単語を覚える必要があるとも言われます。膨大な数ですよね。
インターネット上には有益な情報がたくさんあり、その多くが英語で書かれています。
ネイティブと話したり情報検索をする際に、バイリンガルでもない限りは、知らない単語に何度も出くわす確率は非常に高いです。
そして、たくさんの分からない英単語に出くわすと、文章そのものが理解できず挫折してしまいたい気分にさえなってしまいますね。
しかし語源を知っていれば、そんな問題も解決できます。
なぜなら語源によって、単語の意味が類推できるようになるからです。
実際に英語ネイティブも知らない単語が出てきたときは、この語源で類推しているそうですよ。
よく使う語源15個を紹介
では実際、語源にはどんなものがあるのか?
ここでは、よく使われる語源を、接頭辞、語根、接尾辞それぞれ5つピックアップしてご紹介します。(参考:英単語の語源図鑑(著 清水健二/すずきひろし))
接頭辞
接頭辞5つをみていきます。
接頭辞 | 意味 | 使用例 |
---|---|---|
ad | ~の方へ(を) | ad + opt(選ぶ)~を選ぶ=養子にする、採用する ad + mire(驚く)~の方をみて驚く=感心する |
con-, com-, co- | 共に | com + bi(2つ)+ ne(動詞)2つを一緒にする=結合する co + operate(働く)一緒に働く=協力する |
pre-, pro-, for- | 前に、前で | pro + tect(覆う)前を覆う=保護する fore + see(見る)前もって見る=予見する |
sub- | 下に | sub + title(題)題の下に=字幕 sub + conscious(意識の)意識の下に=潜在意識 |
in- | 中に | in + come(来る)中に入ってくるもの=収入 in + sight(視界)中を見ること=洞察(力) |
語根
語根5つをみていきます。
語根 | 意味 | 使用例 |
---|---|---|
struct | 積む | con(共に)+ struct(積む)積み上げる = 建設する struct(積む)+ ure(名詞にする接尾辞)=建造物 |
dict | 言う | pre(前に)+ dict(言う)前もって言う=予言する、予測する ad(~の方へ)+ dict(言う)言われる通りに=依存症にさせる、常用者 |
ject | 投げる | ob(向かって)+ ject(投げる)投げつける=反対する、目標 in(中に)+ ject(投げる)投げ入れる=注射する、投入する |
press | 押す | de(下に)+ press(押す)押し下げる=落胆させる o(p)(~に向かって)+ press(押す)圧力をかける=抑圧する |
fer | 運ぶ | pre(前に)+ fer(運ぶ)自分の前に運ぶ=好む、~したい trans(越えて)+ fer(運ぶ)移動する=移動する、乗り換える |
接尾辞
接尾辞5つをみていきます。
接尾辞 | 意味 | 使用例 |
---|---|---|
-ant/-ent | 人という意味の名詞形 | con(共に)+ sult(座る)+ ant(人)=コンサルタント serve (仕える)+ ant(人)仕える人=使用人 |
-less | 無い、欠けている | cur(心配する)+ less(ない)心配しない= careless 不注意な hope(望み)+ less(ない)望みがない=見込み(希望)のない |
-ment | 行動、状態という意味で名詞形に | pay(支払う) + ment(状態の名詞)=支払い judge(判断する) + ment(状態の名詞)=判定 |
-able | できる、しうる | drink(飲む) + able(できる)=飲用可能な able(できる) + ity(こと)できること=能力、才能 |
-ous | 形容詞に | fame(名声、評判) + ous(形容詞)=有名な nerve(神経) + ous(形容詞)=神経質な |
語源を活用した英単語学習におすすめの本
今回、語源を接頭辞・語根・接尾辞に分けて、よく使われているものをピックアップしましたが、語源は前章で紹介した以外にもたくさんあります。
全てを覚える必要はないですが、メインのものをイラストなどのイメージと一緒に頭に入れておくと、英単語が今までよりずっとスピーディーに覚えられるようになるはずです。
ここでは、語源を覚えるサポートをしてくれるおすすめの本を2冊ご紹介します。
英単語の語源図鑑
英単語の語源図鑑(著 清水健二 / すずきひろし)は、イメージと共に覚えられる、まさに “図鑑” のような作りの本で、とても分かりやすく書かれています。
読み物として読んでいるうちに、自然と語彙が増えていくような本となっています。
掲載されている単語が簡単なものばかりなため、語源に集中することできる点もこの本の良いところです。
Oxford Dictionary of Word Origins
Oxford Dictionary of Word Origins (Oxford Paperback Reference)(編 Julia Cresswell)は、英英の語源辞典になりますが、解説が分かりやすく面白い、読み物として楽しい、ということで人気の本です。
通常この手の辞書だと、かなり分厚く重たいイメージですが、この本は大きいながらもペーパーバックのため持ち運びが可能なサイズ感も嬉しい点です。(19.6 x 12.9 x 3 cm / 0.38 kg)
本格的な辞書としてよりは、読み物として楽しみながら語彙を増やすのに向いています。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
英単語を暗記しようと思ってがんばっても思ったように覚えられないという人は、まず英単語の成り立ち(語源)に目を向けると、今まで記号のように見えていた英単語もスッと頭の中に入ってくるようになりますよ。
ぜひお試しを (^^)
ではまた!
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