こんにちは、茶子です。
今日は、英語を話すための瞬発力を養うトレーニング法「瞬間英作文」について書いてみたいと思います。
- 英語の知識はあっても、会話で英語が反射的に出てこない
- ネイティブの会話についていけない
- 英語の文章を読むのが遅い
こんな風に感じている人は、英会話トレーニング方法の一つとして瞬間英作文を取り入れてみると会話力がグッと伸びるかと思います。
瞬間英作文は、英語の瞬発力を養うのに効果的なトレーニング。
瞬間英作文の教材には様々なものがありますが、今日は筆者も利用していた「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング – 森沢洋介 著」の本をもとに、効果とトレーニング方法をご紹介します。
瞬間英作文について
瞬間英作文とは、日本語の文章をみて瞬時に英語のフレーズに直していくトレーニングです。言葉のままですね。
プロの通訳士が行うクイックレスポンス(短いフレーズを瞬時に訳す)トレーニングに似ています。
実は私も、通訳の友人からこの瞬間英作文を進められ始めてみました。
瞬間英作文の効果~英語基礎から英会話上達まで
瞬間英作文では、瞬発力と英語回路が身につくため「即座に英語で考える」力がつきます。
これにより、スピーキングはもちろん、リスニング、リーディング、ライティングを伸ばす上での基礎力向上の効果が期待できると言われています。
特に実践英会話への効果が大きいのかなと思います。
瞬間英作文が効果的な理由
では、瞬間英作文がこういった英語全般や英会話力向上につながる理由をみていきましょう。以下の2点です。
- 英語習得に欠かせないアウトプット練習を効率的に行える
- 瞬時に英文を作るトレーニングにより、会話の瞬発力が磨かれる
順に見ていきます。
英語習得に欠かせないアウトプット練習を効率的に行える
以下の記事でも書いていますが、英語を習得するには、勉強により知識を得るインプット学習だけでなく、アウトプット練習が欠かせません。
なぜアウトプットが必要か?
大きな理由は以下の2つにあります。
- 脳は「入ってきた情報を記憶すべきかどうか」を出力の頻度で判断する
- 知っている(知識)≠ できる(実践)- 知識だけあっても練習をしなければできるようにはならない
瞬間英作文は、アウトプット学習の1つです。しかも、1人でいつでもスキマ時間に行うことができるため、効率的なアウトプット練習方法だと言えます。
瞬時に英文を作る練習で英会話の瞬発力が養われる
会話の瞬発力ってなんでしょう?
私たちが日本語で会話をするときを思い出してみて下さい。
思ったことをそのまま発信しスピーディーに言葉を交わし合っていますね。次にどんな風に言おうか?などとは、特別な場面でもなければ考えることもないかと思います。
英語も一緒です。コミュニケーションを取るためお互いスピーディーにリズミカルに言葉を交わし合います。
日本語の場合は普段から使っているため、このスピーディーな会話のやり取りは問題なく行えますが、英語に関しては、些細な会話のやり取りでさえ言葉に詰まってしまいます。
それは、日本で生活していると圧倒的に英語のアウトプット量が足りないからです。結果、脳に英語回路が定着せず簡単な会話でさえとても難しく感じてしまうのです。
そこで、瞬間英作文のトレーニングで英文を瞬時に作る訓練することで、英会話の瞬発力を磨くことができるのです。
瞬間英作文の注意点
上記で紹介したような瞬間英作文の効果をみると万能のトレーニングのように感じますが、注意しなければならない点もあります。
難しすぎる
瞬間英作文の教材の多くは、あまり文法などの解説をしていません。したがって、自分の知識よりハードルの高い教材を選んでしまうと「難しすぎてサッパリわからない・・・」という状況になりかねません。
自分のレベルにあった教材を選ぶこと、文法の知識が全くないようであれば文法の本を1冊手元において確認しながらやること、などを心に留めておいて下さい。
つまらない・続かない
難解で高尚な文章は日本語でも大変ですね。日本語文を見てすぐに頭にイメージが浮かぶような平易な文章でないと、続けるのが困難になるかと思います。
もちろん高尚な文章が好きな方は別ですが、できれば日常でよく使う簡単な文章を選んだほうが良いかと思います。
効果が感じられない
残念ながら脳は忘れることが得意です。ですから「できる」ようになるためには、反復して脳に定着させる必要があります。
また、脳科学では興味や感情の動きが記憶に影響すると言われているので、興味を持てなければ効果を感じられないという結果につながる恐れもあります。
つまり、上記でお話ししたことにも通じますが
もしどうしても難し過ぎたり、つまらないと感じてしまうようであれば、今は瞬間英作文をやるタイミングではないのかもしれません。あるいは、瞬間英作文で選んだ教材が間違っているのかもしれません。
もちろん、しっかり練習することさえできれば、プロの通訳者たちもやっているくらいですから、効果的なトレーニングといえるでしょう。しかし学習を始めるタイミングや教材に注意をはらう必要があります。
書籍「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」の良い点
今回紹介する「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」の良い点についてみていきたいと思います。
本書は以下の点で優れています。
- 難しい単語がない
- 中学生英語の文法を利用している
つまり例文が「簡単」でイメージし易いのです。
実はこの簡単というのが重要で、瞬間英作文は1度で覚えるようにするのではなく、反復して脳に定着させる必要があります。また、深く考えずスピーディーに進めることが効率的な練習の秘訣になるため、簡単でイメージしやすい文章のほうが良いのです。
もう少し具体的に見ていきます。
難しい単語がない
書店に行って実際に本を手にとってもらうと分かりますが、この本には難しい単語はでてきません。
瞬時に英作文を行わなければならないとき、難解な単語が出てきてしまうと、そこでいったん思考が止まってしまいます。
優しい単語だけで構成されていることで「瞬間英作文」という本来の目的だけに集中し練習を進めることができるのです。
中学英語の文法を利用している
本書の例文は、中学で習う英文法を使っています。
よく「日常英会話は中学英語だけで十分だ」と言われますが、筆者もネイティブと会話をしていると本当にそう思います。
論文を書いたりプレゼンをするのであれば事情は変わりますが、日常英会話力を伸ばしたいのであれば中学英語をしっかり身につける方が効率的で賢いやり方だといえます。
文型別トレーニングが可能なため文法が苦手な人にも優しい
本書は、英作文の例文が文型別にまとめられているため、文法・文型ごとに練習できます。
例えば、パート1は中学1年レベル、パート1の1は「this」をつかった文章。パート1の2は「these」を使った文章、3は「what is」を使った文章。
同様に、パート2は中学2年レベルの文法で、パート2の1は過去形、パート2の2は過去進行形・・と、各文型ごとに10例文ずつひとかたまりになっています。
ですから、文法が苦手という人でも、ストレスなく練習をすることができるでしょう。
しかし例えば以下のような文がすぐ英訳できるなら、本書ではなく、別のもう少し高度な例文集の方が良いかと思います。
- 私は、図書館で題名の興味深い本を見つけた。
- あの庭の大きな家が、僕のおばさんの家です。
また「文法の知識に自信があるわ」と言う人は、それこそ中学英語だけにこだわらず、多様な文型や構文をつかった例文を活用し練習を行うことで、更なるレベルアップが可能になります。
瞬間英作文のやり方
では、瞬間英作文のトレーニングはどのように進めたら良いのか?
今回は「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」の内容を例に瞬間英作文のやり方をみていきます。本書ではトレーニングの手順が詳しく説明されていますが、ここではそれを要約して解説します。
1サイクル目
本書は、文法・文型別に10例文ずつひとかたまりで区切られています。この10例文を1セットとして以下の1~4までを行います。
- 日本語の文章をみて英文を作成
- 英文を見て答え合わせ
- 英文を音読 ⇒ 暗唱(最初は英文を見ながら音読でOK。慣れてきたら暗唱)※CDが付属しているためCDの発声を真似て音読しましょう。口に馴染むまで複数回繰り返します
- 上記1~3のステップを10例文終わったタイミングで、10例文通してもう一度英作文の復習をします
これで1セット(10例文)の1サイクル目が終了です。最初に、1度に何セット(何例文)づつやるか目標を決めて、毎日こなして行くといいかと思います。
2サイクル目以降
瞬間英作文は、1度目で暗記をするようなものではありません。できるだけスピーディーに英作文を行い、数をこなすようにするのがコツです。また、反復し脳に定着した感覚を覚えるまで繰り返し行うことが大切です。
2サイクル目以降は、1サイクル目の手順の3と4だけを繰り返します。
何サイクル繰り返せば良いか?ですが、本書「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」のおすすめは、10サイクル程度のようです。
5~6サイクル目で慣れてくるので、その後さらに4~5サイクル繰り返すと長期記憶として定着するということです。
筆者も、だいたい7〜10サイクル程度繰り返すと定着してくるように感じました。もちろん個人差はありますし、例文の難易度によっても変わってきます。
繰り返しの数だけみると一瞬大変そうに見えますが、実際にはとても短く簡単な文章のため、慣れるとラクにできるようになってきます。ジムに行ってトレーニングする感覚と一緒かな?と思います。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
今回は、瞬間英作文というトレーニング法と、瞬間英作文の書籍「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング/反射的に言える 著者 森沢洋介」の紹介をしました。
レベルや好みもあると思いますが、しっかり練習さえできれば英会話の瞬発力を大きく伸ばせるトレーニング法です。
もちろんこれだけやれば「英語がペラペラ」なんてことはありませんが、トレーニングの1つとして取り入れる価値は十分あるかと思います。
興味のある人は参考にしてみてくださいね。
ではまた!
コメント